『光と水のダフネ』の思い出2 初監督の戸惑い
前回のあらすじ『光と水のダフネ』の思い出 テレビシリーズ初監督ゲット(https://www.animeoyagi.com/%e3%80%8e%e5%85%89%e3%81%a8%e6%b0%b4%e3%81%ae%e3%83%80%e3%83%95%e3%83%8d%e3%80%8f%e3%81%ae%e6%80%9d%e3%81%84%e5%87%ba%e3%80%80%e3%83%86%e3%83%ac%e3%83%93%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%e5%88%9d/)
というわけで、2004年のテレビアニメ『光と水のダフネ』で初監督を務めることとなったわけだが、就任後は戸惑いの連続だった。
まず皆さんが監督という存在にどういうイメージを抱いているのかと言えば、
「現場の独裁者」だろう。
独裁者ほどではなくてもかなりの裁量を与えられていると思いますよね。
実は当時の自分もそう思っていた。
実はこれが無いの。というか薄いの。
たとえば脚本の内容や声優を選ぶなど、何か会議があって物事を決めなければならない場合、自分を含めて8人参加していたら1/8の意見としてしか扱われないの。
これ俺の知っている監督と違う……。
今は理解しているが当時の自分はショックだったな。
慣れるまで時間がかかったもの。
自分の意見が通るのは、まれに意見が割れた時に、「監督はどうおもいます?」と聞かれた場合のみだ。
原作や現金を持っていない新人監督の意見なんか聞いてくれないのよorz
ただし上の話はプロデュースなどを含めた部分の会議であって、アニメーション制作現場での裁量は増えるので誤解なきように。
将来監督になりたいと思っている若者よ。これが現実だ。
ただし将来的に経験を積んで、当たった作品が増えていけば、意見も通りやすくなるだろう。