ぽてまよを監督した時の話
『ぽてまよ』は、御形屋はるか先生による漫画作品を原作にしたアニメで、2007年7月6日から9月21日まで放送された。
そうか、もう13年もたつのだな。
ここから先の話はじじいの思い出話なので多少の記憶違いや、盛大に話を盛ってある可能性があるので生暖かく見守ってもらいたい。
あと、じじいは話を無視されると怒るので興味がなくても聞くふりだけはしてやって欲しい。
さて話を続けよう。
監督を引き受けた最初の会議で脚本をどうするかという話になった。
原作は4コマ漫画の連作なので放送の20分の枠に収めるのがなかなか難しい。
そこでプロデューサー陣にダメもとで、脚本無しで原作から直接絵コンテを起こさせてもらうよう交渉してみたら思いのほかあっさりと通ってしまった。
テロップに脚本とある名前は、この時のプロデューサーと私の名前の合成名である。
結果的に自分一人で脚本無しの全話絵コンテ(特典映像は除く)となった。
自分で言うのもなんだが全体的にバラツキがなく全話同じテイストにできたのではないかと思っている。
ぽてまよ役の若かりし頃の(今でも若いが)花澤香菜さんをはじめとする声優陣の伸び伸びとした演技は目をつぶれば私の脳裏には昨日のことのようによみがえる。
みなさんとても良かったなあ。
あ、話はこれで終わりではないぞ。
まだまだ続くからね↓ DVD広告の下の方でまだ喋っているぞ。
じじいの話は長いのだ。
物語は基本的に原作準拠だが、原作通りにアニメの一話の絵コンテを書いていると、どうしても3分ほど短くなることに気がついた。
そこで苦し紛れに付け足したのが主人公たちのクラスメートの女子A・B・Cちゃんのエピソードである。
一応原作に出ていたモブ的扱いのキャラクターを準主役的扱いに昇格させて使わせてもらった。
本来はシーンとシーンのまたぎとしてよく使われている「流れる雲」とか「夕焼けバックの電柱」「道のわきの用水路」みたいなものに、ちょっとしたストーリーとかギャグがついているのがいいな、と考えて最初の頃はアリだのクモだのを使っていたがネタ数的に限界があり、A・B・Cちゃんのエピソードが増えていったのだ。
放送後にはA・B・Cちゃんが原作にも登場していたので嬉しかったな。
あと、未見の方に説明しておくと基本的にギャグ・コメディ物だがツッコミが存在しないので、ただひたすらボケ倒すという作風なので鑑賞には注意が必要かもしれない。
パッケージの絵をご覧になってもらうと分かる通り、とても可愛らしいキャラクターたちがアレコレする基本的にはハートフルな物語なので、未見の方にはだまされたと思ってぜひご覧になっていただきたい。
御形屋はるか先生、素晴らしい作品を生んでくれてありがとうございます。
最後に、観てくださった方々には心からの感謝を送りたい。
どうもありがとうございました。