アニメのお仕事 演出と監督 最初の一歩の困難さ
どんなものにも最初の一歩がある。
演出への一歩。監督への一歩。
中にはすんなりとその一歩を踏み出せた人もいるが、大抵の場合はコレがなかなか難しい。

自分は演出志望として23歳で業界に入り実際に演出になれたのはもうすぐ30歳だった。
黙っていては演出にはなれないと思い、できるだけ「演出になりたい」アピールを続けてやっとなれたのだ。

制作は演出経験のない人間に演出をさせたがらない。
だから演出になる第一歩がなかなか難しいのだ。
たとえばこんな話がある。
私と組んだことのある作監が、
「自分は演出をしてみたいのですが、どうすればなれるのでしょう?」
と質問してきた。
彼は作監としては腕もなかなか、手も早いし人柄も良い。
ぱっと見た目は演出するのは問題なかろうと自分には思えた。
というか、すでに平凡以下と結果が出ている演出よりモノになりそうな感じがしていた。
彼には、
「とりあえず演出になりたいアピールを制作にしておけばいいと思う。自分もそれとなく制作に伝えておくから」
と説明しておいた。
ある日、制作に
「彼、演出をしてみたいらしいけど、どうよ?」
と聞いたら、その答えにがっくりと来た。
「有能な作監の彼を海のものとも山のものともつかない演出にはできません」
これではなかなか演出になれないわけだ。

それから半年くらい経った頃だろうか、別な会社のプロデューサーから、
「誰か演出の人を知りませんか」
と聞かれたので、
「作監としての経験をつんでいる人なら一人知っている。演出は未経験だけど人柄は問題ないと思う。多分大丈夫だ」
と彼を推薦してみた。
プロデューサーは少し考えたが、
「その人の電話番号を教えてくれますか」
なかなかの決断力である。
彼はこうして演出デビューし、そればかりか2年も立たないうちに監督になった。
前の会社はもったいないことをしたものである。

監督の第一歩もなかなか難しい。
自分の場合は約30歳で演出になり、監督になったのは44歳の時である。
もちろん「監督になりたい」アピールはそれなりにしていた。
でも全然監督になれなくて、そろそろ諦めかけていたころにオファーがあったのだ。
前にプロデューサーに聞いてみたことがあるのだが、やはり監督未経験者に監督を任せるのには勇気がいるのだそうだ。
まあ、そうなんだろうなあ。
ただし、なるのは大変だが、一度なってしまえば監督の仕事は来る。
世の中はそういうものなのだ。
自分がそうだったように、腐らずに仕事を続けていれば誰かが手を差し伸べてくれるはずだ。

月額100円(税抜)~で容量最大1000GB!しかも安いだけじゃなく
大人気WordPressの簡単インストール/ウェブメーラーなど
機能も満載!共有/独自SSLもバッチリ対応でセキュリティ対策も万全!
もちろん、オンラインマニュアルやライブチャットなど、
充実したサポートで初心者の方でも安心です。
無料のお試し期間が10日間ありますので、
まずはお気軽にご利用してみてくださいね!
▼ロリポップ!レンタルサーバーはこちら