アニメの監督と総監督の違いについて
これからする話はあくまで自分が見たり聞いたりした範囲内のことである。
だからここに書いてあるのが監督と総監督の違いの決定版でも全てでもないことをお断りしておく。
さて2つのポジションがなぜ存在するのか疑問に思った人は多いだろう。
一本の作品に複数の監督がいるのを不思議に思わない人はまずいないだろう。
そう、とても不可解なポジションなのだ。
これは大抵は大人の事情が絡んでいる場合が多い。
あるアニメの二期が決定したのだが、前作を努め成功に導いた監督が多忙な場合。もしくは指導的立場や後見人に引く場合に総監督の名称が与えられる場合があるようだ。
二期の監督が新人だったり無名だったりした場合、彼に監督を名乗らせるとファンやお金を出した人が納得しない場合があるのだ。
だから前作の監督を総監督にして、ちゃんと作品を監督してますよという体裁をとる。
指導的立場に引く場合は後ろでデンと構えて現場を回す人の相談役になっているようだが、あまり口を出す人は少ないようだ。
あくまで現場は別な人に任せるというスタンスである。
その、現場を回す別な人が監督である。
仕事上なんたって大変なのが現場である。
肉体的にも精神的にも辛いものがある。
にもかかわらず肩書が監督補佐とか助監督とか監督助手では彼が可哀想すぎるだろう。
だって実際には彼が額に汗して現場を回しているのだもの。
だから彼が監督なのである。
では監督と総監督の職分や責任はどうなっているのかというと、先に説明したように現場を回しているのが監督で、一歩引いた立場が総監督だ。
その総監督が何をしているのかというと、自分が見聞きした範囲では作品ごとにバラバラだった。
脚本打ち合わせまでは総監督が行い、その先の絵コンテ作業からあとは監督が受け持つ場合もあれば、デンと構えて何もせず、何かコトが起きたときには顔を出すという人もいるようだ。
何のアクシデントも起きずに作品が出来上がるなら総監督というポジションはなかなか素晴らしいものがあるので自分も一度はやってみたいと思っている。
それぞれの責任はどうなっているのかというと、まあ何かコトが起きた時の最終責任は総監督なのだろうなあと思う。