プロが犯す失敗についての所感
皆さんはプロ野球やサッカーを見ているときに、こんなことを思ったり口に出したりしていませんか?
「どうしてあの球を振るんだよ!」
「どうしてあそこに投げるんだよ? そこバッターが待っていただろ!」
「どうしてあそこでシュートしないんだよ! 蹴らないと点にならないんだよ!」
「何でここであの選手に代えるんだよ? 今出すならあいつだろう!」
はい、全くおっしゃる通りです。あなたは何も間違っていません。
そう思う気持ちはよく分かります。
選手や監督のミスで応援しているチームが負けたとしたらなおさらですよね。
でもね、皆さんが批判した選手はその競技をあなたより真摯に長い時間をかけて練習してきたと思うのですよ。
そうでないとプロにはなれませんものね。
だから彼や彼女らがミスをするのには何かしら理由があったのだと私は思うのですよ。
「どうしてあの球を振るんだよ!」
おそらく相手バッテリーの策にはまってしまったのですよ。
振りたくて振っているわけではないのだと思います。
「どうしてあそこに投げるんだよ? そこバッターが待っていただろ!」
これは逆にバッテリーがバッターの術中にはまってしまったのです。
この場合はピッチャーを非難するのではなく、バッターをたたえるべきです。
「どうしてあそこでシュートしないんだよ! 蹴らないと点にならないんだよ!」
きっとシュートできない理由があったのでしょう。
もしかすると相手ディフェンダーがうまいことシュートコースをふさいでいたのかもしれません。
「何でここであの選手に代えるんだよ? 今出すならあいつだろう!」
やはりこれも観客には分からない何かのチーム事情があるのでしょう。
というわけで、プロがミスを犯すのには理由があるのです。
イチローだって三振するし、メッシだってシュートを外します。
選手やチームを応援する気持ちはわかりますが、過度な期待は禁物です。
もう少し心豊かに気持ちを和らげて観戦するのがいいと思いませんか?
野球やサッカーに限らず他のジャンルでも同じことが起きています。
たとえば私の仕事柄よく耳にするのは、
「どうして原作通りにやらないんだよ? オリジナル要素を入れた理由が分からない!」
「イメージしていた声と全然違う!」
「どうしてキャラが崩れているんだよ!」
「原作はまだあるのになぜアニメはここで終わるんだ?」
ねえ、何か理由があると思いませんか?