後輩とプロレスをしたが、プロレス観が全く噛み合わなかった話
今から25年ほど昔、当時お世話になっていた会社が引っ越すことになり、自分の荷物を持って新しいビルに移動した時のこと。
メインフロアーにはまだ机などの荷物が搬入されておらずだだっ広い空間があった。
しかも柔らかいマットまで敷かれているではないか。
「これはプロレスができるんじゃないのか?」と独り言を言ったら、隣の後輩がすかさず応じた。
「できますね」
「じゃあ、やるか」
意気投合しさっそくプロレスをやることになった。
昭和の戦後生まれの男の子はほぼ全員プロレスごっこの経験があるのだ。
一応ケガをしないように簡単なルールを決めた。
1 自分の膝の上より相手を持ち上げてはいけない。脚をひっかけて倒すのはOKだが、ボディースラムや腰投げなどは禁止。
2 打撃技はソフトタッチで。強い当たりは反則とする。
3 締め技や関節技はその体勢になったところで認定ギブアップとする。
安全面の配慮が終わりさっそく試合だ。
自分はまず下の動画の冒頭のように手四つから相手に組に行ったと思いねえ。
自分はカール・ゴッチやビル・ロビンソンなどのスネーク・ピット系のストロングスタイルに影響を受けているプロレスだ(もちろん観ただけだ)。
自分はその教えに従い基本に忠実に始めたのだ。
すると後輩は両手で顔面をガードするといきなりローキックを飛ばしてきやがった。
こんな感じだ↓
おい、それ俺の知ってるプロレスごっこと違う!
プロレスごっこって組んで投げて四の字固めを決めたりするやつだ。そんなローキックとかないから。
こうして意地でも組みに行こうとするロートルと距離をとってローキックを飛ばす新人の噛み合わないプロレスごっこになってしまったのだ。
あの時は時代は移り変わっていたのだなと痛感したな。