映像作品のシーンとシーンのつなぎ方
映画などでシーンとシーンをつなぐ場合、明確にシーンが変わったことが分かるように作るの場合のテクニックについて語ってみたい。
※ シーンの変化を明確にしたくない場合はこの限りではない。また、オーバーラップとワイプはいずれどこかで別に書こうと思っている。
シーン同士を繋ぎ、シーンが明確に変わったことを観客に伝えたい場合は以下の四種類の方法を単独もしくは複合で使用する。
その四種類とは色・音・構図・アクションである。
順に説明していこう。
■色
例えば明暗や色彩の変化がこれにあたる。
昼間から夕方へ。夕方から夜へなどがこれにあたる。
赤い装飾の室内から青い装飾の室内などでもシーンの変化が観客には伝わる。
明確な変化をつければ前後のカットが同一のシーンだとは観客に思われないだろう。
モノクロ映画時代は色が無い代わりに画面の明暗でこれを代用していた。
■音
たとえば静かなシーンから音のうるさいシーンへつなぐ。
静寂な田園風景のカットと車の音などが溢れている都会のカットなど、音の切り替えがはっきりしていれば観客はシーンが変わったと判断できる。
ただしサイレント映画では使えない。
■構図
平面的な構図と立体的な構図の対比や俯瞰とアオリ、奥に向かってパースのついた構図と上に向かってパースのついた構図など、メリハリを付けた画面の違いでシーンが変わったことを観客に伝える。
■アクション
たとえば静かな住宅の次に疾走する列車をつなぐ。
ほとんど動かない人物のシーンからダンスをしている人物へとつなぐなど、静と動をつなげるとシーンが変わったことを観客に伝えられる。
■色・音・構図・アクションの複合でつなぐとより効果的にシーンの変化を観客に伝えることができる。
平面的な構図の昼間の静かな住宅街と夕やけの上空を通過するアオリ構図の航空機のような対比は色・音・構図・アクションと全てが変化している。
自分がかつて参考にした映画監督はスティーヴン・スピルバーグだった。
彼の映画はこれらのテクニックを存分に使って作られているので参考にしてもらえるといいだろう。
ちなみに先にも述べたがシーンの変化を明確にしたくない場合はこの限りではない。