昭和のオタクの交流は? ビデオテープを交換
家庭用ビデオデッキの登場は当時のオタクたちにとって革命的な家電であった。いやマシンであった。

TV局の気まぐれな再放送に頼らず、録画さえしてしまえばいつでも好きな時にアニメや特撮番組を鑑賞できるのだ。
さてここで問題になるのは裏番組の存在である。
たいていの場合は表番組をビデオで録画し、裏番組はリアルタイムで鑑賞することが多かったと思う。
財力にものをいわせて複数台のビデオデッキで裏も表も録画する恐ろしい者もいたが、少数であった。
もっとも問題になるのは都内では再放送されていないが、地方で再放送されている番組の存在である。アニメージュのアニメ放送情報に地方のアニメの再放送情報が載っていたのよ(今でも載っているのかな?)。
オタクの性質としてこの世にある興味の対象はとことんまで味わい尽くさなければならないという、他人にはまったく理解できない崇高な使命感みたいなものがあるのだ。
そこでオタクたちがおこなったのはビデオテープの貸し借り・物々交換である。
ある者はアニメの上映会や初期のコミケに足を運び、ある者は雑誌の文通コーナーで同志を探し出し、ビデオテープを交換しあったのである。
現在の感覚からするととてつもなく時間がかかって体力をも使う面倒な方法だが、オタクの情熱の前にはそんなことは苦にならないのである。
テープの重さを調べてみたら220~240g くらいだそうな。こんなのを何本も袋に入れて遠出して交換していたかと思うと、懐かしさと哀れさで涙が出てくるわい。

もちろん渡すビデオテープは安全管理のために自分が録画した物を渡すのではなく、そのダビングコピーのテープである。失くされたらたまらんもんね。
ダビングをするのには2台のビデオデッキが必要なのだが、デッキを複数台持っていないものは、友人の家へ自分のデッキを運んだのさ。
ちなみにワシが持っていたデッキの重量は20.5kg だそうだ。それを自転車の荷台に積んで数キロ離れた友人の家に運んだのさ。
すごいなオタク。


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