昭和アニメ話 消えた伝票を探せ!
※この話はじじいの思い出自慢話なので事実を元にして1000%ほど盛って私を美化しています。それを許容できる方のみこの先をお読みください。
もしこの時の当事者だったヒトがいたとしても黙っているのが粋というものだと思います。


まだ昭和と呼ばれ、JRが国鉄と呼ばれていた時代。私が演出助手をしていたころの話である。
外で昼飯の弁当を買い会社に戻ったところ、制作室でデスクや進行たちが床など見ながら何かを探していた。
どうしたの? と聞くと、確認しなければならない伝票が行方不明なのだという。
伝票を紛失した進行くんの顔は少し青ざめていた。
「その伝票はいつ書いた?」
「昨日の夜です」
「最後にその伝票を見た場所は?」
「僕の机の上です」
「自分の席に着いてくれないか」
?マークを頭上に浮かべた進行君を席に着かせ、
「伝票はこの机で書いたのだね」
「そうです」
「じゃあその時のように、ここで伝票を書いてくれないか。本当に書かなくていい、ふりだけでいいよ」
進行くんは首を傾げながら伝票を書くふりをしてから私を振り返った。
デスクを始めとした制作陣も興味深げに注目している。
「書いたあとで何をしたか覚えている?」
「えーと……電話がありました」
「どんな感じで電話に出た?」
「えーと……」
進行くんは伝票を自分の右手側にずらして置くと、前に手を伸ばして受話器を取り電話の応対をするふりをした。
「その後どうした?」
「急ぎの回収があったので出かけました」
「で、戻ってきたら伝票はなかったと?」
「そうです。気づいたのは仮眠をとったあとでした」
「じゃあ右側の引き出しを開けてごらん」
進行くんは怪訝な表情を浮かべながら、机の引き出しを上から順に開け中を確かめ始めた。
一番目、二番目と見つからず。
三番目の引き出しを開けると、少し奥から探していた伝票が顔をのぞかせた。
「あった……」
様子を見ていた一同から深いため息が漏れた。
おそらく進行くんが伝票を書いた後、かかってきた電話に出ているうちに、なにかの拍子に開いていた引き出しの中に落としたのだろう。
それを気づかずに閉めて外出し、会社に戻って仮眠をとったあとで伝票が無いのに気がついたのだ。
進行くんや制作たちが感心したように私を見つめていた。
私も昔はよく無くし物をしたのだよ。
無くした時は闇雲に探さないで、最後にそれを見た場所に戻ってその時の状況を再現すると高確率で見つけられたのだ。
「よく分かりましたね」
「まあな」
私は精一杯冷静に、当然だろ、という顔をして制作室を出たのだった。
この時はすげー気持ちよかったなあ。





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