美食のエンターテインメント バベットの晩餐会(1987)
ああ。思い出しただけで腹が減る。
デンマーク映画の傑作。1987年度のアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞した。
決して重苦しい人間ドラマでもなければ社会的テーマを含んだ問題作でもない。
食事のシーンがエンターテインメントになるという奇跡の一本。
とある田舎町に住む美しい姉妹は、牧師である老父と清貧な暮らしを送っている。
二人に求愛する男はいるが、姉妹は父に仕える道を選び、結婚することなく、清廉な人生を過ごしながら年老いていった。
やがて姉妹のもとに、フランス革命で亡命してきた女性バベットが家政婦として働くようになる。
と、ここまでストーリーを説明しても面白くなる様子はみじんもない。
とにかく村の描写が重苦しいのだ。
話が動くのはバベットが宝くじを当て、その全額をお世話になっている村の人たちのために料理を作ってふるまいたいと申し出てからだ。
実はバベットはフランス宮廷の……。後は御覧になってお楽しみください。
バベットの料理に対しては誰一人うまいと言わないが、そのうまさが伝わってくるのがいい。
おおすめ!
バベットの晩餐会 HDニューマスター版 [ ステファーヌ・オードラン ]