自衛隊前史 警務隊のお仕事 取り調べ
父から聞いた話である。
警務隊とは自衛隊内で起こる犯罪捜査にあたる部署である。
したがって普通の警察が行うような尾行・逮捕・取り調べなどを行っている。
この取り調べであるが自衛隊創設当時駐屯地に取調室が無かったそうなのだ。
その昔、旧軍の駐屯地には憲兵隊などがありそれなりの施設があったと思うのだが、戦後の規模縮小で建物が無くなってしまったのかもしれない。
このへんの事情をもっと聞いておけばと思ったが、もはや後の祭りである。
もし御祖父さんやお父さんがご存命ならば聞けることは聞いておいたほうがいい。
さて、話を戻そう。
初期の警務隊は警察署の取調室を借りて使っていたそうなのである。
さすがに取り調べの施設は充実しており、警務隊の仕事がはかどったそうである。
しかし問題が起きた。
経理である。
自衛隊は特別国家公務員で警察は地方公務員なので経費の経理がとてつもなく面倒だったのだそうだ。
取り調べにかかる経費とは何かというと、たとえばお茶代とかカツ丼代である。
国家公務員と地方公務員の経費の貸し借りが必要書類などを含めて後で煩雑なことになったそうだ。
そこで警務隊は別な取調室を探した。
経理のことを考えて国家公務員が使用している施設が良い。
探しに探し回ってやっと見つけた。
刑務所である。
取り調べには空き部屋を使わせてもらった。
経理の面倒さはなくなり、何より静かでそれは仕事がとてもはかどったそうである。
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自衛隊前史 警務隊初めての大事件