足が遅くても勝てる! 徒競走必勝法
庭先の紫陽花も色あせてきた今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日のお題は徒競走必勝法。
なぜこの季節に徒競走なのか? 運動会の季節は秋だろう、という疑問には後でお答えします。
さて、この必勝法は足の速い方には当たり前のことですが必要ありません。普通に勝負してください。
俺は(ワタシは)足が遅い。今まで一度も徒競走に勝ったことがない。一度でいいからトップでゴールテープを切ってみたい。そういう方にお送りする必勝法です。
ただし条件があります。この必勝法はとても卑怯です。勝ったとしても後ろ指をさされるかもしれません。それでもいい。ぜひ勝ちたいという方にのみお薦めします。
ああ、卑怯というのは言い過ぎでした。たしか同じような意味でサッカーで使われる便利な言葉がありました。
そう「マリーシア」です。
さて、この必勝法にはさらに条件があります。セパレートコースでは使えません。セパレートコースというのはそれぞれの走るレーンがわかれているやつね。8人いたら8コースあるという。こういうコースでは使えません。
それから直線だけでカーブのないコース。これもダメです。
じゃあどんなコースなら使えるのかというと、運動会にありがちな狭いグランドにトラックをつくったやつ。
スタートしてすぐカーブにはいちゃうやつ。こういうコースにしか使えない。
で、オープンコースね。オープンコースって言うのは、スタートしたらどこを走ってもいいというやつ。こういうコースに威力を発揮します。
さて、ここでやっと必勝法の解説です。すごく科学的です。なにせ実践に裏付けされていますから。
まず、ポイントを三つに分けます。
一つめはスタート前。続いてスタートダッシュ。最後はコーナーリングです。
ね、何だか科学的っぽいでしょう。徒競走を三つのファクターに分割して考えるなんて。
では続けます。
まず最初はスタート前。
アナタはトラックの中でこれから走る人たちとスタートを待っています。
ここで漫然と時を過ごしてはいけません。勝負はすでに始まっているのです。では何をすればいいのでしょうか?
アナタがしなければならないのは、スタートのタイミングを計ることです。
運動会の徒競走では何組ものレースが次々と行われていきます。もしアナタの組の出走順が後ろの場合はスターターの癖をつかんでおきましょう。
心の中で数を数えて、「よーい」から「ドン」までの間隔を計るのです。この時普通に「いーち、にー、さーん」と数えてはいけません。普段の三倍くらいのスピードで「一、二、三」と数えてください。多分、「五」くらいでピストルが「ドン」となるはずです。
さあ、いよいよスタートです。
徒競走ではここが最大の勝負所です。ここで誰よりも早くスタートしない限りアナタに勝機はありません。
ではどうやって誰よりも早くスタートすればよいのか。
はい。アナタはすでにスターターの癖を完全につかんでいるはずです。
「よーい」の声がかかったら、心の中で数を数えましょう。いよいよスタートダッシュです。
ここで問題を出します。アナタはどのタイミングでダッシュしますか?
仮に「五」で「ドン」と鳴るのであれば、心の中で数えた数が「五」になった時でしょうか?
はい、「五」でダッシュするのは間違いです。それでは遅すぎます。
「四」でスタートしちゃいましょう。ピストルが鳴る前に走り出してしまえば、かつての最速王ウサイン・ボルトにだってスタートでは負けることがないでしょう。
おいおい、それじゃあフライングだろうと言う声が聞こえてきそうですが、はい、フライングです。
でも立ち止まってはいけません、そのままコーナーに向かって突っ込んでいってください。
もし、スターターがフライングと判定すればアナタはどこかで止められるはずです。しかし、運動会レベルで厳密にフライングをとるスターターはまずいません。
運動会に陸連から派遣されてくるような本格的なスターターがいる確率は限りなく0に近いです。
たぶん体育教師が面倒くさそうにピストルを鳴らしているはずですからフライングなんかとりゃあしません。
さらに言うなら、運動会では他にもまだまだ走らなければならない組がいっぱいあるのです。
どんどん進行させていかないとプログラムが滞ってしまうのです。アナタはこの隙を狙うのです。
ね、卑怯でしょう。でも道義的道徳的に問題があったとしても合法的なのです。
はい、マリーシアです。
たとえ観客がフライングだと思っても審判が流した場合はフライングではありません。
サッカーでどうみても反則なタックルなのにファールをとらない場合があります。そりゃねーだろと誰もが思いますが、審判はまず覆りません。
繰り返します。審判の判断は絶対です。
ああ、そうそう。くれぐれも「三」のタイミングでスタートしないでください。あまりにも早く飛び出すと、さすがに止められてしまいます。「ドン」と鳴る直前にスタートするようにしてください。
いよいよコーナーワークです。
アナタは誰よりも早くコーナーに飛び込んでいるはずです。ここでの注意はコーナーぎりぎりを走らないということです。必ず自分のインコース側に半人分の隙間を空けて走りましょう。
コーナーぎりぎりを走った方が距離が短く効率的なのではないかとの疑問がわいてくるでしょうが、そう考えるのは徒競走の素人です。
なぜ左側に半人分の隙間を空けているのかというと、後ろのランナーの心理を考えているからです。
アナタの後ろのランナーはその隙間をつこうとしてくるはずです。なぜなら外側から抜くより効率的だからです。これが罠です。
アナタは左後ろにランナーの気配を感じたら、すかさずそのコースに身体を寄せてふたをするのです。ぶっちゃけて言うと走路妨害です。でも前述した通り反則をとられることはまず無いでしょう。
でもここで安心してはいけません。コースをふさがれたランナーはアナタの外側から抜きにかかってくるはずです。ですからまたインコースを開けるのです。半人分だけ。そうすると後ろのランナーはまたインコースをついてくるはずです。
相手はあせっているので必ず来ます。もうゴールまでそんなに距離は残っていないですから。で、またふたをする。
この「インコースを開けてふたをする」を二回も繰り返せばコーナーは終わり直線に入るはずです。
さあ、ゴールは目前です。目の前に誰もいない純白のゴールテープが光り輝いているというアナタにとって見慣れない光景を目の当たりにするはずです。
しかし、ここで油断は禁物です。最後のつめがまっています。
直線に入ったらゴールに向かって一人分だけアウトコースへずれながら走ってください。
はい、後ろのランナーの走路を妨害するのです。ただしあまり露骨にやらないようにしてくださいね。
あとはゴールテープを胸で切るだけです。他人からの賞賛は得られませんが、思惑通りにレースを進めて勝った充実感に心の中が満たされるはずです。
いかがでしたでしょうか徒競走必勝法。えっ? こんな卑怯またはマリーシアな手を使ってまで勝ちたくない?
そういう方はこれから練習して正々堂々と勝負してください。
秋のシーズンまで後二ヶ月ありますから。
ちなみにこの必勝法、私は実践しております。
結果はゴール前で胸ひとつ抜かれて二位でした……。
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