体重別階級制度とスポーツについて
小学生の時メキシコ五輪の入場行進を観ていて困惑したことがある。
重量挙げで金メダルを期待されていたのが三宅義信で東京オリンピックでも優勝している期待の選手であった。
ところが入場行進の中継が始まると当時のソビエトの旗手ジャボチンスキーという重量挙げの選手をNHKのアナウンサーは世界一の力持ちと連呼するのである。
世界一の力持ちは三宅ではないのかと当時の自分は混乱した。
なぜなら小学生の私には体重別の階級という概念が欠如していたからである。
当時見慣れていた相撲は体が大きかろうが小さかろうが階級は無かったので、階級制があるということが最初は理解できなかったわけだ。
その後、どうも変だなと思ったのが、ボクシングの世界チャンピオンが複数いることに気がついた。
チャンピオンとは世界一のはずなのになぜ複数いるのか?
そこではフライ級だのバンタム級だのいくつかの階級があり、友人が懇切丁寧に解説してくれたので私もやっと階級制の存在を理解したのだ。
ボクシングに階級があるのは公平性から来ているのだろう。
実はボクシングも昔は階級など無かった。
しかし大きなものと小さなもの戦えば小さなものが勝つ確率は低い。
だから階級を分け同じような体格の者同士で戦えるようにしたのだ。
これが公平ということだ。
ボクシングの場合はヘビー級・ミドル級・ライト級に分割され、さらに細かく分けられていった。
多分チャンピオンが大勢いたほうが興行的に成り立ちやすいからだろう。
おおむねスポーツでは最重量級のチャンピオンがその種目で一番強いと思って良いだろう。
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ところで武道ではスポーツと違って階級制は存在しないのだが、これは殺し合いに体の大小などと言ってはいられないからだ。
殺しの技に大小は関係なかろう。
柔道も昔は階級など無かったが、東京五輪あたりで重量級・中量級・軽量級に分けられた。
柔道は武道的な側面を残しつつ、このときからスポーツになったのだと思う。
ちなみに相撲は武道ともスポーツとも違う気がする。
あれは神事なのだ。