アニメおやじが将棋道場で低学年の小学生に説教された件
実はアニメおやじは将棋も趣味での。今回は最近話題の棋士・藤井聡太に便乗してこれを書いている。
自分は小学生の時に駒の動かし方を覚え、定跡も知らずに友人や弟と遊んだことがあるくらいで、それ以来、五十代中盤までは駒にも触ったことがなかった。
再び将棋を指すきっかけになったのは2013年の第2回将棋電王戦をネットで観て、指手の意味が分かればもっと面白いのだろうなと思ったからだ。
そこで将棋のソフト『激指13』を買ってきて指導対局モードで指してみたが、一番下のレベルにも歯が立たない。orz
いきなり心が折れそうになったが、二ヶ月ほど指し続け、どうにかこうにか低レベルには勝ち越せるようになった。
そこでネット将棋にデビューしてみた。『将棋倶楽部24』である。
ここで初めて時間制限のある将棋を指した。
時間制限って焦るのな。あ、あ、あ、どうしようという状態でもちろん完敗・惨敗である。orz
また心が折れそうになった。
それでも諦めず定跡本を買ってきて読んでは指し続けていると、レートが100を超える所まで行った。
しかしなかなか150を超えることが出来ない。このころの勝率はギリギリ三割程度だ。
最初は「ひょっとして俺は馬鹿なんじゃないか」と悲観した。orz
(まあ今でも将棋知能指数は低レベルだが)
自分の棋譜をソフト解析にかけると、序盤はなんとか定跡通りに指しているので勝負になっているが、定跡本には書いていない中盤から大崩れしている。
ソフトは大きく形勢を損ねた手のところで最善手は5六歩などと教えてくれるが、なぜその手なのかは教えてくれない。
初心者にとって三手先は霧の中。五手先は闇の中である。もうなにをして良いのか全く分からない。
このままではいかんよなあ。ちゃんと教わったほうが良いのだろうなあ、ということで一大決心をして将棋道場に行くことにした。
行ったのは都内某所。
入口のドアを開けるのは勇気がいった。
息を整えてからドアを開け、席主に、「あのう、初心者なんですけど、いいですか」と聞いてみたら、
席主が、「ええ、大丈夫ですよ」と言ってくれたので、少しホッとした。
室内は広いが、平日の午前中とあってかわりと閑散としており、10人くらいが適当な場所に散って将棋を指していた。
さてこの後自分はどうすればいいのだろうと思っていたら、席主に棋力を問われた。
「初めて三ヶ月くらいです」と答えたら、席主はちょっと考えて7級の青年を相手に選んでくれた。
対人はほぼ四十年ぶりである。緊張するなと言っても緊張するさ。
将棋は序盤こそ互角の展開だったが、例によって中盤から崩れ大敗の予感が漂い始めた。
それでもただひとつだけ詰筋をみつけ、相手の飛車の前に歩を突き出した。
この歩を避けられたら負け、取ったら詰みである。
低級のみえみえの手なので、まあ無理だろうなと思っていたら、あろうことか相手は歩を取った。大逆転である。
これで対人初の一勝である。
勝ちましたと席主に報告に行くと、次は四段のお爺さんに当てられた。ワシもじじいだが相手はもっとじじいだ。
どうもさっきの将棋を短時間で勝ったので棋力はかなり上ではないかと疑われたっぽい。迷惑なことである。
お爺さんとの対戦は平手だと告げられた。完全に無理ゲーだ。
席主に「ボク初心者なんですけど」とひかえめに抗議したが、「初心者では7級には勝てないよ」と一蹴された。そうかもしれない。
四段のお爺さんとの将棋はもちろん負けた。しかも反則の二歩でだ。
自分でやらかして言うのもなんだが「これが二歩か」と感動した。
ネットの将棋では指せないもんな。
次に当てられたのは三段の小学生。
小学生が飛車・角を落としての対戦だ。
三段とあって態度はでかい。
少々むかついたが、勝てる気は全くしなかった。
やはり負けた。
三段て強いのだなあと感心していると、
「あそこの歩は突かないほうが良かったですね」と偉そうな声がした。
声を発したのは相手の小学生だ。
「どの歩ですか?」
そう訊くと小学生はささっと中盤の局面に駒を並べ替えてゆく。すげー記憶力に感心しながら、自分はある種の感動を覚えていた
これが感想戦か……
ニコ生やTVで観たことはあったがネットじゃしたことないもんな。
道場で指すのはいいものだなあ、なんて感慨にふけっていると、
「この歩です。この歩は突かないほうが良いです」
小学生はある局面で突いた歩を指摘した。
「なぜですか?」
小学生はその理由を面倒そうに説明してくれたが、内容はすっかり忘れてしまった。心が折れかかっていたからだ。
小学生は最後に駒台にあった大量の駒(元は俺の駒だ)を手のひらで弄びながら、偉そうに助言してくれた。
「もっと定跡を勉強したほうがいいですね」
orz いつかコ○してやろうと思った。
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