梶原一騎のマンガにおける登場人物の強弱

2021年6月19日 オフ 投稿者: animeoyagi

 梶原一騎(かじわら いっき、1936年9月4日(正確な生年月日には疑義もある)- 1987年1月21日)は日本の漫画原作者である。

 代表作は『巨人の星』『あしたのジョー』『タイガーマスク』『侍ジャイアンツ』『空手バカ一代』『愛と誠』など昭和の漫画のヒットメーカーであり、その多くがアニメ化されている。

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 彼の登場人物の強弱の付け方にはある特徴がある。

 それは対決シーンにおいて心理的優位にある者は喋らなくなるのである。

 逆に心理的に不利なものや不安な者が饒舌に語りだす。

 『巨人の星』を例にすると、魔球の特訓をした星飛雄馬に対してライバルの花形満はバッターボックスにおいてその疑念を饒舌に語りだし、一方マウンド上の飛雄馬は終始無言である。

 また『あしたのジョー』の最終巻では世界タイトルマッチにおいてパーフェクトチャンピオンであるホセ・メンドーサは試合序盤には何も語らず、主人公のジョーが饒舌に語っている。

 ところが後半、倒されても倒されても立ち上がるジョー見たホセが今度は饒舌に語りだし、ジョーが無言になるのである

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 これはなぜかと考えるに、喋らない奴は何を考えているのか分からず底が知れない不気味さが醸し出されるからだろう。

 このテクニックは梶原が創始者かどうかは分からないが、今でも漫画やアニメで使われているのである。

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